自動車部品工場の生産計画スケジューリング・・・生産準備

自動車部品工場を訪問した。数年前に生産スケジューラを導入し、うまく稼動しているということで今回訪問することになった。

まず、私は「なぜ、自動車部品工場なのにカンバン(かんばん)方式を用いないのですか」と質問した。すると「加工工程で工程数が多い自動車部品生産の場合、カンバン方式は向かない」とのことだ。

この工場では、生産スケジューラは活用しているが、まだ、活用はできていないとの話し。どのようにフル活用できていないかというと、生産スケジューラを活用してしるが、まだ、生産スケジューラのスケジュール結果を用いて生産指示を出していないということだ。これには、生産スケジューラを開発している側からすると驚きだった。

生産スケジューラでスケジュールを計算して何に役立てているかというと、生産準備である。トヨタ生産方式の本には、カンバン方式を活用するには、その前に、3ヶ月内示から生産準備をするとある。生産準備の主な仕事は、①内示情報から所要量計算をして原材料、外注の手配をする、②内示情報から工場の負荷状況をチェックする、ことである。この工場では、この2つの仕事を生産スケジューラのスケジュール結果から行っている。実際の生産時は、既に原材料、部品の所要量および設備の負荷の条件はほぼ充足しているため、現場の裁量で確定オーダに間に合うように生産を行うことが可能だ。 (このような生産スケジューラの活用方法は、生産スケジューラというよりも、まさにAPS(Advanced Planning and Scheduling) 、生産計画スケジューラというべきである)

このような生産方式は、自動車部品のように比較的需要が安定している場合は有効である。自動車でも、トラックや建設機械、消防車、救急車のような特殊車両のように、需要の変動が予測しにくくなるほど、生産スケジューラによる作業指示が必要になってくる。生産スケジューラでは需要変動が大きくても、3ヶ月内示があれば3ヶ月の先読みをしてから、本日の生産スケジュールを計算可能である。現場の裁量では、3ヶ月先にどうなるかを予測して本日の生産スケジュール考えることは不可能であろう。

私の経営者としての信条の一つは、「ビジネスは先が読めているかどうかで、ほとんど勝負が決まっている」ということである。皆さんはどこまで先が読んで仕事を行っているでしょうか。

written by 高橋邦芳@生産計画スケジューラAsprova

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