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ペンキ作戦

5Sは一般に赤札作戦から始める。まず、日々の生産活動に不必要な物を現場から追い出し、本当に必要な物だけを現場に残す。そして、これら必要な物を使いやすい形で配置し、物の表示をハッキリさせるために看板作戦を行う。
この看板作戦とほぼ同時期に、床や通路を明確にするために実施されるのがペンキ作戦である。
まず、工場を大きく"歩く場所"と"作業する場所"の区分けをする。前者を「通路」、後者を「作業区」と呼ぶ。この通路と作業区をハッキリ分ける線のことを「区画線」といい、分ける線や位置の線等、線を引くことを「線引き」という。
通路と作業区を分ける区画線が最初の線引きとなる。いきなり線引きする前に、まず作業区の位置決め、通路の確保をしなければならない。
作業区は、U字ライン作業での作業性を考慮し、かつ部品の位置等も考えて位置決めをする。また、通路は安全性を第一とし、かつ部品供給がスムーズに行えるよう配慮する。
よく床面が凸凹で、レベル出しができていない工場を見かけるが、この際、床面の補修工事をして、レベル出しくらいはきちんとできるようにしなければならない。
通路は、作業区の位置決めにもよるが、曲げたり、コーナーが多過ぎるのはなるべく避ける。折れたり曲がったりすると必ず衝突事故が発生する。とくにフォーク運搬をする工場では、レイアウト時に十分考慮する必要がある。
線引きは、一般にペンキを用いるが、テープやアクリル板でもよい。とくにアクリル板は、大板を購入してライン幅に切り、裏に接着剤をつけて区画線に使用するとペンキのようにはげたりせず、テープのようにはがれず、かつ水ぶきで簡単に元のきれいな色に戻る。しかも値段が安いというメリットもあるので、今後の区画線の材料の主役となりうる。
色については、通路や区画線は暗くなってもハッキリして、かつ浮かび上がるような色がよい。そこで、①作業区...グリーン、②通路...オレンジ(蛍光色)、③区画線...イエローとするとよい。
また、区画線の幅は5~10cmとする。3cmでは心細いし、普通の工場で15cmはでしゃばりすぎる。一般には7cmがよく使われる。
半導体のような小物を扱う屋内の工場では、5cmもしくは7cmとし、重機のような大物を扱う屋外的工場では、クレーン等からでもハッキリわかるように少し太目の15cmとする。こうして引かれた区画線は、重機工場等では命を守る"命線"となる。そこで、合わせて「命線を踏まない横切らない運動」を展開するとよい。
また、各自の工場で、線引きについての標準を決めるのも方策だ。通路を歩いていて、急に扉やドアが開いて、ぶつかりそうになった経験を持つ人も多いはず。これもKY(危険予知)の安全性重視から、破線で扉の開閉線を引き、歩行者に注意を呼びかけるのもペンキ作戦の工夫の1つである。

関連用語: 置場線開閉線黄線表示線引きタイガーマーク

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