意職改革

後工程はお客様

生産とはどんな形をとるにしても、顧客ニーズがあってこそ利益を生む。いい換えれば製品を買ってもらわなければ製造業は成り立たない。世の中は多品種少量・変種変量がさらに細分化しつつあり、「売れた物を造る」買い手市場のマーケットイン思考が必須となってくる。
この考え方を製造現場における工程間の流れにまで取り入れたのが「引っ張り生産」。「後工程はお客様」はそのキャッチフレーズで、お客(後工程)がストア(前工程)で買った分だけ仕入れるスーパーマーケット方式の仕組みをいう。
生産計画は最終後工程のみに手配される。その生産結果を前工程は知らされ依頼を受けはじめて作業することができる。つまり後工程が造らないかぎり、前工程は造れない。また生産計画は常に実績情報として前に流れ、かつその時点での顧客ニーズと等しく、後工程には常に"お客様"が介在する。これはすなわちムダゼロで「必要な物を、必要な時に、必要なだけ造る」JIT生産の実現をも意味する。
ちなみにこの情報を流す道具が「かんばん」である。
一方、前工程からの「押し込み生産」では、生産計画は各工程ごとに手配され"工程独立生産"となるため、その実績が一律とはなりにくく、工程間に真の"お客様"情報が流れない。