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ボトルネック(制約)

サプライチェーンのスループットを決定するのがボトルネック。それを認識し、改善を進めていくことが、キャッシュフローを大きくする。

サプライチェーンにおけるボトルネック(またはコンストレイントという制約)とは、ある需要に対するサプライチェーンのオペレーションで最も時間を要する資源である。

通常、現象として現われる状態は、ボトルネックの前で在庫が増え、ボトルネックの後で部品不足が発生している。統計的にみると不安定な変動、すなわち、ゆらぎをもっているから常にこの状態(過剰在庫と材料不足)にあるとは限らない。ハイキングなどでは、ボトルネックは最も行進速度の遅いメンバーであって、ボトルネックの前は間隔が広がり、ボトルネックの後では間隔が縮まって渋滞になっている。

このボトルネックの重要なことは、ボトルネックがサプライチェーンのスループットを決定していることである。ハイキングでボトルネックになっている人が速く行進できれば全体が速く行進できるように、サプライチェーンのボトルネックの能力が上がればスループットは増える。ボトルネックの定義からして、非ボトルネックのオペレーションは稼働率100%以下であるから、ボトルネックの能力が上がってスループットが増えても、非ボトルネックの稼働率は100%以内で上昇するだけである。もし、非ボトルネックになっているオペレーションの稼働率が100%を越えれば、ボトルネックの場所がそこに遷移していることを示す。

ボトルネックの認識が不足していると、スループットを増大させる機会を失なうことになる。認識不足のために小さなコスト削減にエネルギーを使い、大きなキャッシュフロー生む可能性を失うケースが多い。ボトルネックでの1時間のコストは、サプライチェーン全体の1時間の損失であり、サプライチェーン全体のスループットの損失である。

ボトルネックの認識とそのマネジメントは、サプライチェーンのスループットを増大し、設備を有効活用して収益を著しく増大させるということを説明するのが、TOC(制約理論)である。ボトルネックであるオペレーションの能力向上が、全体の0.1%のコストを発生するものであれば、残りの99.9%はコストを余分に発生することなく、スループットを増大させることになる。

コスト削減にエネルギーと時間を費やしていると、単にボトルネックの稼動率を80%から60%に落とすだけの改善で、キャッシュフロー上は何の改善もみられないという場合がある。標準原価計算で、操業度による原価差額は生産部門からみれば自分の責任ではないと考えるのは、部分最適の発想だからである。


出典:図解100語でわかるサプライチェーンマネジメント―キャッシュフローを上げる経営手法

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