生産スケジューラの昨今

ラッシュ・オーダに対応するために

2009.07.16

生産スケジューラの導入効果に関して

アスプローバ株式会社

藤井賢一郎

 

昨今、当社製品を最もご利用いただいています電子部品メーカでは、「ラッシュ・オーダ」というキーワードが盛んにいわれています。完成品メーカが、在庫をもたず、需要に応じて、部材を要求してくるので、サプライヤ側には、大きな負担となっています。さりとて、取引先の要望に沿えなければ、サプライヤーとしての生き残りはございません。

 サプライヤ側ではこれまでの生産形態では、リスクを覚悟で在庫をもつか?同業他社から部品を購入してまで、その場をしのごうとする企業もみられますが、この現象は今だけの一過性のものでしょうか?当社としては、今後もつづく取引傾向とみています。その場合、新しい環境にご対応いただくためには、私どもは、部品メーカのお客様に2つの点をご提案させていただいています。ひとつは、顧客努力によるもので、需要予測の精度向上や部材の共通化などです。もう一点、生産スケジューラが、お客様に貢献する点は、
 1.リードタイム短縮による在庫削減と納期回答
 2.生産計画にもとづいた部材のJIT手配
 3.生産量に応じた人員調整(能力計算)
 4.受注変更・特急オーダへの即時対応
 5.直接原価方式による減価シュミレーション
などです。

 われわれのシステム構築の世界でも、「ラッシュ・オーダ」は、例外ではございません。戦後最大の不況から、急激に市場回復していく段階では、これまでのようなノンビリしたシステム構築の余裕はありません。お客様は、1日でもはやく、競合他社に勝る生産スケジュールシステムの確立を望まれます。そうした背景の中では、カスタマイズをして導入するようなシステムは、要望されません。構築に時間と費用がかかるだけでなく、リスクも伴う方式だからです。当社は、長い間、「ノンカスタマイズによるシステムの構築」「多様な機能の適用によるベストプラクティスの利用」をお客様にはすすめてまいりました。「Time is Money」は、お客様だけでなく、当社のシステム開発のキーワードと今やなっています。